左ハンドルMTから見える世界
ペーパードライバーから練習して、
左ハンドルMT車に乗れるようになる
という日が来るなんて、本人も思っていなかっただろうけど、できるようになってしまいました。
この一年、COVID-19の影響で生活は大きく様変わりし、趣味も楽しめず、社会に立ちこめる閉塞感にどう立ち向かうかということをそれぞれが考えてきた1年だったのではないでしょうか。それは、これからもしばらく続くのかもしれません。それでも、自分意思で自分の人生の歩む道を選び取って生きていくのが、いいのでしょう。
この人は元々、趣味の乗馬の一環である「北海道の場産地巡り」を満喫したくて、
「北海道でレンタカーに乗れるようになる」
というのがゴール、のはずでした。しかも、ペーパードライバーとしてのブランクが結構長かったので「長期戦になりますけど、いいですね?」と念を押してのスタートでした。ところが、根気よく何度も何度も練習している間にふと、
「クルマも馬と同じで、一台一台、雰囲気違いません??」
っておっしゃったんですね。そうなんですよ。本当にそう。クルマ一つ一つが、案外個性を持っている。それをくみ取って使いこなせることこそが、ドライビング・プレジャー(クルマの楽しみ)だとわたしは思っていて、それをぼくが話すより先に、気が付いて楽しみ始めたのでした。そこからの上達は異常な早さだったと思います。
クルマは日本車だけではありません。むしろ世界中にたくさん、面白いクルマがあって、幸いなことに日本にはそれらがたくさん輸入されていて、楽しむことができます。また、日本ではオートマティック車が当たり前ですが、ヨーロッパでは今でも小型車の半数くらいはマニュアル車ですし、名だたるスポーツカーたちもまだマニュアルを用意しています。つまり、
左ハンドルのマニュアル車に乗れる=世界中のクルマ(名機・名馬)を楽しめる
ということになります。
この人は、そういうレベルの「スタートライン」に立った人。ようこそ、こちら側へ。
自動車開発テストドライバー 古賀章成
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