誰もが最初はペーパードライバーで、クルマに乗れてから見える世界は果てしなく広く美しい。
古賀章成です。自動車開発テストドライバーという仕事をしています。
4月、入学、入社、転職、引っ越し、いろんな変化がある季節ですね。ぼくは大学の入学式は札幌だったのでまだ雪が残ってて寒かったし、広島での入社は第二新卒の秋採用だったので10月にしれっと8名で入社したので、この季節の桜舞い散るなかでの温かな晴れやかな節目のイベントというのを久しく味わっていません。(自分で選んだ結果ですけど笑)
ただこの季節になると、必ず思い出すことがあります。それは、会社に入ってから、つまり、自動車メーカーに入社してから、同僚や後輩とクルマを集めて見たり触ったり乗ったりして遊んだ日のことを。ぼくらが2012年に始めてから、ぼくが退職するまで 毎年続けてやっていました。ただただ自分たちクルマで遊びたかった気持ちで始めたことでしたが、初めてすぐ気がついたのは、同期の仲間の半分くらいがペーパードライバーで、クルマを動かすのもおっかなびっくりだったことと、クルマが好きで知ってるつもりの連中もぼくを含め、マイカー以外のことはそんなに知らないしそんなに数乗った経験値はない、ということです。
だから、ぼくらは毎年、この季節になると新しい仲間を誘っては、持ち寄れるクルマを持ち寄って、あーでもないこーでもないと、遊びの延長線上にある勉強会のようなことをやっていたのでした。
誰だって最初はペーパードライバーです。でも場所とチャンスがあってその気になれば3日くらいでMT車に乗れるようになる。そんなことを足掛け8年ほどやってきました。一方で、多少クルマに乗れるからって甘くなくて、プロの世界はあまりにも奥が深い。しれば知るほど、クルマって面白かったんです。使い方によっても本当に様々ですよね。トラックも面白いですよ。
クルマって便利な工業製品ですけどそれ以上に文化的な側面が強いモノだなと個人的には思っています。例えば、ドイツ車とフランス車は同じヨーロッパ車だけど全然考え方や走った感じが違ったり、国内でもスバルとマツダではぜんぜん違う。では、王者トヨタは如何に???とか、いろいろと面白いんですよ。だから、夢中になる人が出てくるのも自然な話なんですよね。奥田民生さんのこの楽曲に、全てが詰まってると思います。いまのHONDAのイメージソングですね。#きょうだれかをうれしくできた
クルマに乗らないと いけないわけではないぜ イエーーーーーーーーーっ!! だけど…
この話は長くなるので少しずつ話そうと思いますが、桜が舞い散り、風が暖かくなりつつある今、ふと思い出して、コレを書いています。毎年、毎年、飽きるどころか仲間も増えて、見える世界も広がっていくのが楽しくてしょうがなかった。
あのとき、ぼくはすごく楽しくて、みんなすごく楽しそうだったから、
今ぼくは、この仕事をしています。
ペーパードライバーかどうかなんて、ぼくと練習してみたらきっと3時間もあれば関係なくなりますよ。
そして、クルマに乗れた先に広がる世界は広い。いろんなカーライフがあって、知れば知るほど面白い。知った方がいい。
大袈裟かも知れないけれど、クルマに乗れたら変わる人生があるかも知れない。あるんですよ、見てきたから。
だから、あなたにもぜひ。
MEET THE CARS
古賀章成
kogatounten.com
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