乗馬のため馬産地巡りのために始めたクルマの運転なのに、やってるうちに運転楽しいかもって思えてきて、わたしここまで来たら左ハンドルのMTまで練習してみようかと思うんですが。
「水島です。ペーパードライバー歴、25年。わたし、どうしても北海道の馬産地巡りに来年行きたくて、今から練習したら、来年、私、北海道を一人でレンタカー借りて走れるようになりますか??」
忘れもしない、数年前、新宿のルノアールでお会いしたときのこの第一声に、ぼくは、
「そーれーはム、ムリ、かも、しれませんけど、やり、、、ますか???」
っていう、いまのぼくでは信じられないほど弱気な返事をしたのを覚えています。それくらい水島さんは本気だったしぼくも本気でした。本気で夢を実現したい人の夢を実現してあげるために何かを約束する、引き受けるのには、こちらにも覚悟が必要です。世の中にはタラレバもな絶対もない。もちろん今のお客さんにだって「絶対」なんて言わない。
でも、「きっと」はある。
「水島さん、真面目に話しますよ。あなたが描いているゴールは、凄まじくレベルの高いものです。理由は端折りますが、ぼくの出来ることの中で、最高難度です。そして、これは脅しでも嫌がらせでもないので真剣に聞いて欲しいんですが、」
「はい、」
「練習するのは、あなた自身です。ぼくは魔法使いではない。あなたがゴールに向かって練習するそのために必要なことを、ぼくは、ぼくが持っている知識と経験で、やり方やその時のるべきクルマを選んできてまたそれの乗り方を一緒に練習する。そういうものです、だから、」
「はい、」
「ぼくは北海道の道も知ってるし、1年あれば、出来ないことはないと思っています。ただ、あなたがかなり努力しなければならないことだけは、しっかり理解してください。25年間あなたがクルマに乗ってこなかった理由のひとつは、きっと、クルマにのるのが怖かったからだと思います。危険だからです。それは、ぼくと一緒に練習したからといって、本質的に変わるものではありません。ただ、」
「はい、」
「練習して、訓練して、(クルマの運転に限らず)自分の能力を引き上げることで、そうすることで結果的に心の余裕を得るということだけが、その不安を払拭していくということだと思います。だからこの話は、いっぱい練習して、いろんなクルマに触れて、あなた自身が、一般的なドライバーよりもさらに高いレベルに到達することを目指す、ということです。」
「はい。」
「やってみm」
「はい。」
ぼくは後で知ることになるんですが、水島さんには、
「いますぐに始めなければいけない理由」
があったのでした。
もうね、腹を括った人の意思というのは、ちょっとやそっとのことでは萎えたりしないんですよ。ぼくは、上記の話を、半分は諦めさせるために、半分は腹を括ってるなら伝わるはずと思って、営業トークとしては0点の勢いで喋りましたが、水島さんの答え、気持ちは決まっていました。
「練習したら、できるってことですよね。だったら、時間がかかってもいいです、やります。」
ってことで、スタートしました。そして、この時はまだ、まさか水島さんが、#コガとうんてん 史上初めて、左ハンドルMTまで乗りこなせるマルチプレイヤーになるなんて、誰も知る由もなかったのでした。
水島さんとのエピソードは、全10回くらいになるので、気が向いた時にまたいつか。今はとにかく、本来の目的を超えてこんなふうに楽しんでくれる人がいるってことが、誰かに伝われば嬉しい。クルマの運転の醍醐味は、決してマニアだけのものではないということが。
・運転することそのものが楽しい
・いろんなクルマの味がわかるのが楽しい
・苦手なクルマもあれば、好きなクルマもあってだんだんわかってきた。
んだって。えらそうに!笑
けど、わかるんですよ、クルマに詳しい人たちがマニアック風味に話しているようなことも、地道にクルマに向きあって練習してきた人たちには、たった1年でちゃんとわかるんですよ。トルコンAT、CVT、右MT、左MT、クロカン、スポーツカー、これらを当たり前のように丁寧に乗れるようになる人にはちゃんと伝わるんですよ。だから、自動車メーカーも「ごまかし」は、すぐにバレますよ。こういう人たちの感覚って本当にすごいから。
途中に書きましたが、水島さんがここまで頑張れたのには、腹を括っていたのには理由があった。その理由が、ひとつ解決したと先週連絡があって、それは大変おめでたい連絡で、
今週、早速また、練習するんだってさ。さあ、なに乗ってどんな運転の練習しようか!
次は、クルマの、どんな可能性を見せてあげようかな。
最近、店長と仕上げたとびっきりのを用意してるから、こいつでいきますか。
おかえり!!!
自動車開発テストドライバー 古賀章成
【協力】
ピッコロカーズ 各種レンタカー
積載車系自動車ライター中込健太郎さん MT練習の車両選定やコース選定
マツダ株式会社様 MT練習のためのMAZDA2(広報車)
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