お正月

てんさいだからしかたない。

 2024年の秋、ある会社が倒産した。ぼくの活動(拠点を東京から三重に移したり、法人化したり)が軌道に乗り始めた頃のことであった。「脱ペーパードライバーを支援する」サービスは確実に成長していて、今後もシンプルに拡大して行くことが見えている仕事である。これまでは ぼく が商品だったが、これからはぼくがこれまで培ってきた知見や技術や技術(撮影や計測や理論なども含む)を、ぼくがいない場所でも提供できるようにしたいと思っていて、それに軸足を置き始めた頃のことであった。

 会社の倒産というのはあっけない。年間で10億円の売り上げをあげていた10年以上続くような会社でも、戦略が市場や顧客と噛み合わない状態のまま1年、2年と続けていると、3年目には本当にキャッシュが尽きてしまう。そんなことが本当に起こるのを目の当たりにした。もし今これを読んでいるあなたがどこかの会社にお勤めだったり、アルバイトでお給料をもらっているとしたらそれは、何があろうと経営者の苦渋の決断の連続が上流にあるんだろうな、と、想像して見るのもいいと思う。

 それで、ぼくの話に戻ると、その会社の解散に伴って、ぼくの、その会社から収入も突然ゼロになった。正直痺れるものがある。もちろんぼくは自分が法人の代表取締役であり、自分の事業があり、それで飯を食っていくと決意したわけである。が、正直なところ、法人化1年目に仕事をさせてくれる地元の企業があったことは非常にラッキーで、その分ぼくも一生懸命仕事でお返しをしていた。この間に中型免許を取得して、積載車やマイクロバスも運転できるようになった。若いやつ2人に中型免許をとらせて、いっちょまえの中型トラックのりに育てたのも自信になった。今や彼らのほうがぼくよりもはるかにレベルの高い物流マンである。

 そんなことがあって本題に入るんだけど、トラックの免許を取れた奴らはある意味、転職で非常に強かった。そんな気はしていたけれど、20代で積載車からアルミバンまで、1日で300kmくらいなら余裕で走るようなタフな連中に仕事がない訳がない。結果として2人ともお給料は1.5倍くらいの物流の会社に就職が決まった。本当に安心した。ただ気になっていたのはトラックの免許を取るまでの時間がなかった若者たちだ。特にレディース。運転は本当に上手で要領も良くて人当たりも良い。でも、せっかく積み上げた自動車に関する知識や技能を活かせる場所というのがなかなかない。同業他社にいくくらいか。けど世間は狭くて、転職の理由が理由なだけに、同業他社では倒産した会社の社員をウェルカムで受け入れる雰囲気はあまり感じられなかった。「やり方を乱されては困る」といったようなことかなと思う。そこでぼくも含め彼女らと目をつけたの、軽配送、主に Amazon Flex という個人事業主向けプログラムだ。ちょうど2024年12月から3ヶ月間、稼働条件を満たせばリース料ゼロのキャンペーンが開催されて、それに申し込んだ。最近ぼくがYouTubeで話している軽貨物のスタートの時期の話がこれだ。無事に3ヶ月、東海地区のいろんなエリアを走りながらリース料ゼロを達成すると同時に、この仕事は色々伸び代あるなと思って、続ける事にした。先の彼女らも自分のクルマを黒ナンバーにしてスタートして、情報交換しながらうまくやれてることを知り、安心した。トラックの彼らと同じく、軽貨物の彼女らもぼくをあっという間に追い越して行き、軽乗用車から計貨物自動車に変更してできる仕事を増やし、個人事業主から物流会社への所属に変更したりと、身軽に逞しく働いている。20代や30代前半がそんなふうに逞しいのは本当に見ていて気持ちがいい。一方で、悪い大人に騙されませんように、、、と、余計な心配をしながら、口には出さず、ぼくができることは出し惜しみなく喋るようにしている。

 2026年、ちょっと思うところあって、ぼくがやってきたこと、やっていること、思っていることを書き綴って行こうと思う。はじめに、実際にぼくが事業の一環に組み込む事にした 軽配送 と、軽貨物・電気自動車 の運用の話をしたい。もしあの会社が倒産していなかったら軽配送はやってなかったと思うし、軽配送をやるためにEVを新車で買うなんてことはしてなかったと思う。けど、軽貨物EVを買うという選択は確実にぼくの活動を前に前に押し進めてくれている。そして何と言ってもやっていて楽しい。

 HONDA N-VAN e: という新型の軽貨物EVを2024年の10月(上記の会社が倒産してすぐ)に注文して、納車は2025年の5月28日だった。さらに、HONDA ON という完全オンライン販売システムで購入した。6月1日から配送の現場に投入した。

 6月、Honda Magazine というディーラーさんにおかれる雑誌・資料のモデルとして取材をしてもらった。7月、軽配送業での売り上げが過去最高の60万円を超える。確実な手応えと次の一手を仕掛けようとしていたある日、

Screenshot

 8月7日の早朝、コインパーキングの駐車枠内に停車して着替えていたら追突された。いってる意味がわからないと思うけれど、コインパーキングの枠内で追突された。ドアもホースメントもへしゃげて、即日修理入庫。そこから2ヶ月ほど修理に時間を要する事になる(生産台数の少ないクルマなので…)。そして何よりもキツかったのが、身体の怪我と、保険屋との休車補償の交渉だ。身体の怪我は、主に背中の筋肉全体が痛い。2025年末もまだリハビリに通っているが、あのビリビリする低周波治療機の出力レベルはなかなか高いままでる。左向きに振り向いた状態から何かを持ち上げる動作が痛い。調子がいいなと思ってもどこかをかばっててまた別のところが痛くなる。ひどいときはロキソニンを飲んでやり過ごすしかない。ムチウチというのは難しい怪我だ。そして何よりもぼくの2025年を蝕んだのが、保険屋との補償の交渉だった。

 事業用軽貨物自動車 通称「黒ナンバー」の車両が修理などで使えないと、その日のお仕事できない訳だから、そのぶんを補填してもらわないと困る。貨物の決まりは厳しくて、きちんと認可された車両でないと仕事はできないし、場合によっては「その車両が運ぶ荷物に対して」保険がかかっていたりするので、安易な車両の交代ができない。特に個人事業主の場合はその辺が難しいし、一人で2台も3台も軽の黒ナンバーを持って要るというのも珍しい。とにかくぼくは、N-VAN e: がないと仕事が成り立たなくなった(脱ぺ遠征用にも使うつもりで導入した)ので、当然ぼくは 休車補償 を申請した。

 端的にいうと、大げんかになった末、弁護士に依頼してその後のことは全部任せる事にした。少なくともぼくの主張に対し、全く納得できない根拠で 「あんたは月収20万円くらいでっしゃろ。」という意味のコメントが添えられて、補償金額が決定した。気が狂うかと思うほど怒った。他人の人生をなんだと思っているのかと。なんのための保険かと。しかも、厄介だったのが、ぼくも相手も同じ保険会社だった事だった。ぼくは最初、特か損かはおいといて、こじれる事なく話が進むと安心していた。とんでもなかった。人生で最も、怒ったかもしれない。怒りすぎて、疲れすぎたのか、肺炎になって1ヶ月寝込む事になった。それが2025年の10月から11月にかけての出来事。

 というわけで、2025年は非常に「勉強になった」年だった。これは嫌味である。まじでクソみたいな仕事してクソみたいなアウトプットで許されるやつらがいて、もしこれぼくじゃなかったら本当に 貰い事故で廃業 もあり得るような話で、時代が許すなら事務所を襲g違う、「お話をお伺い」しに行くところであった。

 友人たちには救われた。家族もそうか。最近はSNSとかYouTubeなど動画や写真とキャプションでの発信が流行となり、良くも悪くも際どい話や怒りの感情みたいなもののコンテンツ化が難しくなった。というかしないほうがいい。してはダメまである。けれど、自分のドメインのblogなら、よっぽど悪意のある切り抜かれ方でもされない限り、そしてぼくがそういう仕事をする人に狙われるくらい有名人で有力な人物にならない限り、

ナニモオコラナイ。

 そしてぼくの悪い癖でありある意味わざとやっているこの長さが、ある種のフィルターでもあるって、一周回って文章を書いて行こうと思う。ここならふざけたっって、ファンタジーみたいなリアルの話をしたってそんなにおこられまい。本当に面白いことというのは、結構ダメのギリギリ近くのちょっとダメ、なんだよな。そしてそれは物理的観測されてはいけなくて、そういうこともあったよねというファンタジーにしていかないと。この時代においてちゃんとファンタジーをやれるのは、もはや文章しかないのかもしれない。どれもこれも解像度が高すぎるよね。

 2026年1月1日、びっくりするくらい眠った。またあしたから動きだすし、上記のように2025年は半分くらいの時間がやりたいことができない時間だったので、今年は満足のいく年にしたい。そして人生は案外長いようでそうでもない。若干だが焦っている。つまらなさすぎて焦っている。こんなにつまらなくていいのかと。心から自分のことで楽しいと思えたのはいつだっただろうか。脱ぺはいつも楽しい、誰かが壁を乗り越えてクルマなので乗れるようになって、ちょっと嬉しそうに得意げに運転している姿を見るのは、何百回何千回何万回見ても飽きないだろう。だけど自分自身に嬉しいという感情が湧き上がることがなくなって(いや、わざとその機能をオフにして)何年経つだろう。そろそろ、ぼくが心底嬉しいなと思う日があってもいいと思う。心のリハビリだな。そんな感じで、本年もよろしくお願いいたします。

2026年元旦 
MEET THE CARS株式会社 代表取締役 古賀章成
https://youtube.com/@kogatounten

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